経鼻内視鏡.jP
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逆流性食道炎のロサンゼルス分類

2012/01/25

最近胸焼けやげっぷがあり、食事を取ると悪化する、喉に違和感がある、声がかすれる、背中が痛い・・・こういった症状があった場合に疑われるのは「逆流性食道炎」です。

逆流性食道炎とは胃液が食道に逆流して食道粘膜が荒れてしまう疾患です。
原因は・ストレス・食道裂孔ヘルニア・胃の手術後の後遺症・アルコールの飲みすぎ・肥満・悪い姿勢などとされています。このような事が原因で胃液が食道に逆流し停滞することで、食道内が傷つけられて炎症を起こすのです。
「なぜ、胃は大丈夫なのに食道だけが傷ついてしまうのか?」と思われるかもしれませんが、胃の粘膜は胃壁から分泌される粘膜によって保護されているのに対して、食道粘膜はそういった保護機能がないため、胃液が逆流することで簡単に食道粘膜が荒れて炎症を起こしてしまうのです。

逆流性食道炎の検査方法はいくつかありますが、その中でも最も良い方法が実際に炎症の程度を医師が目で確認できる胃内視鏡です。逆流性食道炎は内視鏡で見た炎症の程度によって分類があります。
ロサンゼルス分類と呼ばれており、グレード別にN・M・A・B・C・Dという分け方をします。さて、写真で見ていきましょう。

(グレードN )

症状が出ていても、内視鏡検査上では炎症がなく、正常な食道の状態。

(グレードM )

粘膜の炎症はないけれど、粘膜が赤みを帯びている状態。

(グレードA :軽症)

直径5mm未満の粘膜の炎症で、粘膜のヒダの一部分のみに炎症が見られるもの。

(グレードB:軽症)

直径5mm以上の粘膜の炎症で、複数の粘膜のヒダに炎症が見られるが、その炎症が連続していない状態。

(グレードC :重症)

粘膜の炎症が複数の粘膜のヒダに、連続して広がっている状態。

(グレードD :重症)

全週の75%以上に粘膜の炎症ができている状態を言います。

・・・・以上のように分類され、症状を考慮に入れて治療が行われます。

ところで、この逆流性食道炎に関連して大事なことを。
胃内視鏡検査により下記のような「バレット食道」(逆流性食道炎をくりかえすことによる合併症:これが臨床では重要です)も発見できます。

バレット食道(合併症)

食道上皮は本来は体表の皮膚と同じ(重層)扁平上皮ですが、逆流性食道炎では円柱上皮化生が生じることがあり、これに特殊腸上皮化生が合併したものをバレット食道と呼びます・・・要するに食道が胃みたいになっているということです。このバレット食道は食道腺癌の前癌状態とされ、無治療では高確率で食道癌が発生してしまいます。
ということは・・・逆流性食道炎の患者さんは定期的な内視鏡検査が必要だということになります!

胃の内視鏡検査の普及で、以前は胃炎と言われていたものも、実は逆流性食道炎だったというケースも多いことがわかってきています。胃の病気の早期発見・治療はとても重要ですから、症状があれば早めに胃内視鏡を受けられることをお勧めします。