経鼻内視鏡ブログ

2012年1月14日 土曜日

内視鏡機器の洗浄と消毒;強酸性電解水の利点と欠点について

内視鏡の洗浄と消毒について・・・「強酸性水」についてです
医療機器は感染の危険度別に3段階(critical,semi-critical,non-critical)に分類され、消化器内視鏡(胃カメラや大腸カメラ)はsemi-criticalに属し、高水準の洗浄消毒が必要です。

さて、現在、医療機関で用いられている洗浄消毒液のひとつに強酸性電解水があります。
強酸性電解水の利点はまず、殺菌効果が強いことです。具体的には大腸菌O-157やMRSAなどの一般細菌、真菌、ウィルスなどに対して幅広く即効的な殺菌効果があるのです。
また、安全性に優れており、皮膚や眼や口腔内に入っても何ら変化を引き起こしません。つまり洗浄する医療者に対して「優しい」のです。さらに、医療機関の立場では、ランニングコストが0.6円/lと安いことも利点です。


・・・ところが、この強酸性電解水。他の消毒剤(アセサイドやグルタールアルデヒド)と比較するとあまり用いられてはいないようです。
その原因は
①強酸性電解水の殺菌作用は有機物の混入でほぼ消失する
②内視鏡を長時間浸たすと内視鏡が錆びたり、光沢がなくなったりする
③日本消化器内視鏡学会のガイドラインでは奨励されていない
などによります。
これらの欠点のうち、①と②については事前のブラッシングなどを行った上で強酸性電解水による洗浄消毒を行ったり、強酸性水による洗浄後に水道水で細部をよく洗い流すことで解決できます。③については利権がからむところかもしれません。

私個人の意見としては、実質的に洗浄消毒に優れている強酸性水があまり用いられていない現状は残念に思います。強酸性水の利点と欠点を十分に理解していれば、より安全に簡潔にグルタールアルデヒドと同等の殺菌効果を得られるはずです。簡潔で高水準の内視鏡洗浄消毒は必ず患者サービスへとつながると思います。


投稿者 医療法人社団LYC ららぽーと横浜クリニック