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胃潰瘍と十二指腸潰瘍の違い

2012/02/24

皆さんは「胃潰瘍」と「十二指腸潰瘍」の違いをご存じですか?

どちらも一度は耳にしたことはあるが、場所以外の違いについては詳しくは知らない・・・という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで今日はこの両者の違いについてご説明したいと思います。

まず、基本的に胃潰瘍と十二指腸潰瘍は似ています。
どちらにも共通している「潰瘍」の意味についてですが、「潰瘍」とは胃や十二指腸の壁に傷が付き、粘膜の下までえぐられた状態のことをいいます。できる場所により「胃潰瘍」「十二指腸潰瘍」と名称を区別されてはいますが、病態や治療が似ているため、この二つをひっくるめて「消化性潰瘍」と呼ぶこともあります。胃潰瘍や十二指腸潰瘍の症状としては、心窩部痛・みぞおち痛・上腹部痛(鈍痛)・悪心・嘔吐、胸焼けなどです。原因としては、ピロリ菌の感染・頭痛薬などの非ステロイド性抗炎症薬の服用・ストレスで胃の粘膜の防御機能が弱くなるなどが挙げられます。治療としては、胃酸分泌抑制薬や胃粘膜保護薬などがあります。 胃酸分泌抑制薬は、胃を刺激する胃酸の分泌を強力に抑える薬剤で、H2受容体拮抗薬やプロトンポンプインヒビター(PPI)などがあります。

・・・つまり、症状・治療薬とも大体は同じなのです。

では、本題。
胃潰瘍と十二指腸潰瘍の違いは。

○まず胃潰瘍の特徴からお話していきましょう。
胃潰瘍の好発部位は胃角部小弯側(いかくぶしょうわんそく)といって、バリウム検査の写真で胃を撮影した時に一ヶ所へこんで曲がり角のように見える場所(胃の真ん中付近)をいいます。
痛みは食後の割と早いうちにでることが多いです。年齢層は40~60歳代です。


胃角部小弯側にできた胃潰瘍

○次に十二指腸潰瘍です。
十二指腸潰瘍の好発部位は「十二指腸球部前壁」という幽門部(胃の出口)のすぐ後ろにある部分で、バリウム検査の写真で見るとボールのように丸くみえるところです。
痛みは空腹時や夜間などに多く、食事によって痛みが和らぎます。年齢層は20~40歳代です。

いかがでしょうか。
臨床的には(つまり普段の診察の時は)、医師は患者が若年なら十二指腸潰瘍を疑い、患者が中年以降なら胃潰瘍の可能性にウェイトをシフトさせるといった感覚です。
(そして、胃内視鏡検査を必ず行い、悪性を除外しておくことがなによりも重要となります。)
(参照)要注意! 胃潰瘍と似ている胃がん

胃潰瘍でも十二指腸潰瘍でも、放置するとどんどん潰瘍は深くなり、胃や十二指腸に穴が空いてしまう「穿孔」という状態が起こります。こうなると、激しい腹痛が起こり”腹膜炎”というひどい状態になります。胃液や腸液が消化管の外に漏れ出て重篤な炎症を起こし、緊急手術が必要となるのです。
何だか聞いただけで恐ろしい気持ちになりますよね。
こうならない為にも、最近胃が痛くなることが多いなという方は早めの内視鏡検査を受けてくださいね。