経鼻内視鏡.jP
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肥厚性胃炎とは

2012/06/14

今回は慢性胃炎の一つ「肥厚性胃炎」についてお話し致します。

日常生活の中で慢性的に「上腹部の不快感」「胃もたれ」「胃痛」などの症状を感じている病態のことを「慢性胃炎」と呼びます。この「慢性胃炎」の原因は一概には言えませんが、ストレスやアルコール、コーヒー、香辛料、冷たいもの、熱いものなど刺激物の過量摂取、アスピリンや抗生物質、非ステロイド性抗炎症剤、副腎皮質ステロイド剤など薬の副作用などがあることがあります。また、ヘリコバクターピロリが原因となることもあります。
この慢性胃炎の状態を経鼻内視鏡で観察したら、以下の代表的な所見が見られます。

①表層性胃炎(胃粘膜表面で軽い炎症のある状態)
②びらん性胃炎(炎症により胃粘膜表面がえぐれた状態)
③萎縮性胃炎
④肥厚性胃炎(胃粘膜表面が正常より厚くなった状態)

そしてそう、今回は④の「肥厚性胃炎」についてお話したいと思います。

【肥厚性胃炎】とは
萎縮性胃炎(胃の粘膜が薄くなり、胃腺が働かなくなって粘膜が萎縮するもの。高齢になるほど萎縮性胃炎の人の割合が増えていきます。)と逆に胃の粘膜が厚くなるもので、胃液やその中の胃酸の分泌が増加し、過酸症がみられることがあります。
症状としては、胸焼けやげっぷ、呑酸(胃液が口までこみ上げ、口の中が酸っぱくなる状態)、空腹時の胃の痛み、胃もたれなどの症状が現れます。これらの症状は肥厚性胃炎だけではなく、十二指腸潰瘍、食道がん、胃がんなどでもみられる症状なので、経鼻内視鏡による診断を受けることが先決です。
肥厚性胃炎の治療と致しましては、胃の粘膜の状態に応じて胃酸の分泌を抑える薬や胃腸機能を調整する薬を使用し治療を行います。


(写真;肥厚性胃炎 粘膜ヒダの肥厚がある)

慢性胃炎の原因として、胃潰瘍の原因や胃癌の発癌リスクを高める【ピロリ菌】の感染が深く関わっていると言われています。なんと胃潰瘍の約70%以上、十二指腸潰瘍の90%以上がピロリ菌によると考えられています。また胃癌に関しても、ピロリ菌に感染していない人に比べると、ピロリ菌感染者は胃癌の発症のリスクが約10倍以上も高くなることが分かっています。

当院では胃の内視鏡の検査時に、ピロリ菌がいるかどうかを同時に調べることが出来ます。胃の表面粘膜組織をつまみとり、試薬につけることで検査します。ピロリ菌が陰性だと検体は黄色くなり、陽性だと綺麗なピンク色になります。検査したその日のうちに結果が分かり、もしも陽性でしたら、そのままピロリ菌の除菌治療をご案内できますので、胃の内視鏡の検査を受ける方は同時に検査することをお勧め致します。