経鼻内視鏡ブログ

2012年11月21日 水曜日

盲腸にできる潰瘍;腸結核とは

「胃潰瘍」や「十二指腸潰瘍」は、もう皆さんご存知ですね?
(参照)胃十二指腸潰瘍とは

・・・実は、胃だけでなく大腸にも、(主に肛門近くや直腸)潰瘍はできるのです。
今日はその大腸に出来る潰瘍の原因の一つ、「腸結核」について書きたいと思います。


「腸結核」とは・・・
腸結核とは、活動性のヒト型結核菌を含む食べ物や喀痰(かくたん)を飲み込んだために、結核菌が腸粘膜に侵入して炎症を起こし、潰瘍を形成する病気です。腸結核は回盲部(回腸と盲腸の境界付近)に好発しますが、それはリンパ組織が豊富なためと考えられています。

他の臓器(例えば肺など)で結核を患い、そこから感染が広がったものを続発性腸結核といいます。逆に、他の臓器に結核の病変がなく、大腸に初めて感染巣をつくる場合を、原発性腸結核といいます。感染経路からの分類では、結核菌を飲み込む管内性転移が大部分で、そのほかに他臓器から血管やリンパ管を介して結核菌が侵入する場合や、隣の臓器から直接入り込む場合があります。

<症状>
活動性であれば、腹痛、発熱、下痢、体重減少などが主症状となります。狭窄を伴うと、悪心、嘔吐、腹鳴が出現しますが、しばしば無症状で発見されることも多いのです。

<内視鏡検査所見>
肉眼的には回盲部の地図状潰瘍・連続性のない横走潰瘍・輪状潰瘍が特徴的で、潰瘍周辺には瘢痕による粘膜集中や炎症性ポリープを伴う萎縮した粘膜(萎縮瘢痕帯)がみられます。小腸のリンパは腸管の円周方向に走っているので、潰瘍が腸管を取り囲んだり、帯状になります。また腸結核は自然治癒することも多く、変形・萎縮瘢痕帯・回盲弁の開大のみの場合もあります。


回盲部に出来た活動期の腸結核
  

<病理診断>
組織学的に結核菌や乾酪性肉芽腫(かんらくせいにくげしゅ:カッテージチーズ状に見えるため乾酪と呼ばれ、乾酪壊死組織を中心に持つ肉芽腫をいいます)といわれる特徴的な病変がみられれば確定診断されます。


腸結核に特徴的な「乾酪性肉芽腫」
白っぽくて丸く見える組織があるのが見えますか??
 


大腸内視鏡検査で大腸潰瘍が回盲部にできていると、慢性の炎症性腸疾患(とくにクローン病)の可能性もあります。そこで、確定診断のためには、結核菌の存在を確認することが重要です。
生検組織の培養やPCR法による結核菌の遺伝子診断・糞便の結核菌培養などを行い、いずれかの方法で結核菌が証明されれば腸結核と確定診断されます。


投稿者 医療法人社団LYC ららぽーと横浜クリニック