経鼻内視鏡.jP
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胃がんの組織型による悪性度の違いは?

2015/12/01

今回は胃がんの「組織型」に関するお話をしていきます。
実は、胃がんはその組織の種類によって悪性度に違いがあるのです。

さて、予備知識です・・・
胃がんはほぼ全て(95%異常)が腺がんと呼ばれる、腺組織に由来するがんです。
「腺」というのは胃だけでなくヒトの身体のあらゆる部分にあって、胃液や腸液など分泌物を出す管のことをいいます。有名なのはアポクリン腺という脇の下の皮膚にある、汗を出す管でしょうか。

「胃の中に腺?」と、今ひとつイメージがわかないかもしれません。
では以下の図をご覧ください。

これは、ヒトの胃粘膜を拡大して顕微鏡でとらえた図です。
上は細長く伸びているのに対し、下はガッチリとしていますね。
ここから食べ物を消化する胃液や胃の粘膜を守る粘液が分泌されます。

腺がんはその「腺」の細胞から発生するがんのことをいいます。
腺がんは更にタイプ分けされ、悪性度が低いものから分化型・未分化型に分類されます。

《分化型腺がん》

比較的正常な細胞に近いものが「高分化腺がん」と呼ばれています。
がん細胞の形や並び方が胃の腺管構造を残しており、悪性度が低いことが多いタイプです。

《低分化型腺がん》 

正常細胞とはかなり違った構造を持つものが「低分化腺がん」と呼ばれています。
腺管構造を保たずバラバラに増殖するがん細胞からきているもので、正常細胞の間に割って入るような形で、悪性度が高い場合が多いのです。
上の図は「低分化腺がん」の一種である「印環細胞がん(いんかんさいぼう)」の顕微鏡像です。
細胞質が一側に追いやられてしまい、細胞が丸い指輪のように見えるところからその名前が付いたと言われています。

一口に胃がんと言っても、このように組織型にはいくつかの種類があります。
胃がんは胃の内視鏡検査で発見されます。胃がんの予防・早期発見のためにも、1年に1回は定期検査として胃の内視鏡検査で診ていくことをお勧めします。