経鼻内視鏡ブログ

2015年10月 1日 木曜日

胃の過形成ポリープってどんなもの?

みなさんこんにちは。
時々、テレビなどの報道で有名人の方が「都内の病院で大腸ポリープの切除術を受けられました」といった話題が出ることがありますね。『ポリープ』と聞くと、大腸ポリープを思い浮かべるかもしれませんが、胃にもポリープができます。

そんな胃のポリープは、大きくわけて3つにわかれます。
・胃底腺ポリープ
・腺腫性ポリープ
過形成ポリープ

今回は「胃の過形成ポリープ」についてお話していきたいと思います。

*過形成ポリープとはどんなポリープ??
過形成ポリープは非腫瘍性で、胃の出口付近にできやすいといわれています。有茎性(ゆうけいせい)または無茎性(むけいせい)の小さな結節(直径1cm以上の充実性の隆起)として見られ、傷ついた組織が過剰に再生されてできるものと考えられています。
発生は30歳以上といわれ、年齢と共に増加する傾向にあります。腸上皮化生(ちょうじょうひかせい)(胃がんと非常に関連のある組織)との関連はあまりなく、がん化することはまれであるとされています
例えば慢性胃炎などで胃の粘膜がただれてくると、これを修復するために粘膜の上皮細胞が過剰に生成され、これがポリープをつくるのでは?ということです。

わかりやすいように説明すると、手や足などに傷を負った場合を想像してみてください。その傷が治ったときに、深い傷の場合は元通りにならずに傷口が少し膨らんでいる場合がありますよね?胃ポリープはあの状態が胃の表面で起きているのです。

『ピロリ菌』(ヘリコバクター・ピロリ)という細菌の感染が伴うことも多く、胃粘膜の萎縮と腸上皮化生粘膜(粘膜が腸の細胞に似た細胞に置き換えられること)が好発する胃の粘膜環境であるとも考えられています
非常に表面が赤くなって光沢があり、イチゴのような顆粒状の凹凸があります。出血やびらんも多くみうけられ、これが原因で貧血が進行することがあります。



症状はほとんどなく、健康診断で発見されることが多くあります。
普通大きさは2~3cm程でとまり、ほとんどのものは経過観察で問題ありません。しかし、大きいものは1%程度にがんが合併していることがあり、1年に1回の内視鏡検査が必要になります。
貧血を起こすほどの出血原因となったり、1~2cm以上で悪性腫瘍が疑われる場合は、内視鏡での治療(ポリペクトミーや内視鏡的粘膜切除術《EMR》)の適応となります。 
ピロリ菌感染がある場合は、除菌すると70%の過形成ポリープは縮小または消失することがあり、除菌療法も治療方法として考慮されています。

いかがでしたか?
胃ポリープもたくさん種類があり、治療方法もポリープによって変わってきます。
ただ、過形成ポリープの場合は、サイズや出血の観点で手術が必要となることがありますが、必ずしも「ポリープ=がん」というわけではないことはわかっていただけたでしょうか?

「経過観察でいいよといわれても、どんな1年を過ごせば...??」と思い詰める必要もありません。
いつも通りに過ごしていただき、胃の定期的な内視鏡検査を忘れずにお願いいたしますね。

投稿者 医療法人社団LYC ららぽーと横浜クリニック | 記事URL

↓↓胃に関する情報満載のブログを更新中です!↓↓