経鼻内視鏡ブログ

2017年5月 1日 月曜日

胃に穴が!?胃憩室ってなに?

皆さんこんにちは。ららぽーと横浜クリニックです。
皆さんは胃カメラを受けて自分の胃の中を実際に見た際や、写真で結果を見たときに、「胃に穴が空いている」「丸い窪みみたいなものがあるって言われたけど、これって大丈夫なの?」と不安に思ったことはないでしょうか。
今回はその窪みの正体、「胃憩室」についてお話します。

胃憩室ってどんなもの?
胃や十二指腸の消化管の壁が、消化管の外側に突出して空間を作っているような状態です。大きさはだいたい1~7cm程度です。胃憩室は、その他の消化管憩室に比べて頻度が低いといわれていますが、加齢とともに増え増大する傾向があります
人間ドックなどで、バリウムを飲んでレントゲンを撮影したり内視鏡検査を行った際に見つかる事があります。

胃憩室はおおきく4つの種類に分けられています。
真性憩室:粘膜、筋層、しょう膜の全てが突出する。
仮性憩室:消化管の壁にある筋層が欠損して、粘膜としょう膜が突出する。
圧出性憩室:腸管の内圧により突出したもの。
牽引性憩室:腸管外より癒着などにより引っ張られたもの。
では、この胃憩室はどのような原因で引き起こされるのでしょうか?

胃憩室の原因
胃憩室の好発部位は、 噴門部後壁(背中側)が約8割と 幽門前庭部が約2割という割合です。噴門部は、胃の筋層が薄く解剖学的に弱いうえに圧力がかかりやすい部位なので、胃憩室が発生しやすいといわれています。幽門部は、 胆嚢や 膵臓などの周囲の臓器の炎症や癒着による牽引、迷入膵(異所性に発生して膵臓に似た組織)の 陥凹などによって胃憩室が発生します。
また、食物線維の摂取量が少ないと発症しやすいとも言われています。

胃憩室の症状
基本的に胃憩室のほとんど症状はありません
ただし、胃憩室が大きくなってくると、まれにみぞおちの膨満感や、嘔吐、胸やけなどの症状があります。また、まれに憩室炎(発熱・腹痛)、胃潰瘍、穿孔(孔(あな)があく)、出血などが起こることがあります。出血した場合には吐血や血便、黒色便が生じる場合もあります。
症状がない場合でも胃憩室に治療は必要なのでしょうか?

胃憩室の治療法
症状が無い人は特に治療をする必要はなく、胃の内視鏡検査で経過観察を定期的に行うだけで十分です。胃憩室炎や、胃潰瘍、孔が空いて出血したものに関してはまず保存的治療を行い、それでも改善がみられなかった場合には手術が行われる事があります。また、胃癌を併発している場合もありますので癌が見つかった際は手術を行います。
「胃に穴が空いている!」とビックリするかも知れませんが、胃憩室は予後が良好なのでそれほど気にしなくても大丈夫です。手術をして切除しなければいけない程の人は殆どいません

最後に...
胃憩室は胃や十二指腸の消化管の壁が、消化管の外側に突出して空間を作っているような状態です。ですが、胃憩室は基本的に無症状なので治療をする必要はありません。
ただし、出血や腹痛、胸やけなどの症状が出てきた時は検査を行い症状にあった治療を行う必要があります。不安がある時は専門医に相談しましょう。

投稿者 医療法人社団LYC ららぽーと横浜クリニック | 記事URL

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