経鼻内視鏡ブログ

2011年12月25日 日曜日

胃潰瘍に対する手術について

胃潰瘍で手術する・・・20年以上前ではごく当たり前になされてきた医療ですが、近年は滅多に手術されなくなりました。

胃の壁が傷つき、部分的に欠損した状態が「胃潰瘍」です。 
胃潰瘍は、胃液中の塩酸と蛋白の分解酵素であるペプシンによる消化作用により形成されます。
胃潰瘍の自覚症状として最も一般的なものとしては「疼痛」であり、心窩部(みぞおち)から左上腹部にかけての鈍痛です。
(参照)胃潰瘍・十二指腸潰瘍とは

 
胃内視鏡(胃カメラ)で胃潰瘍が見つかったら、まずは癌細胞がないか直接組織を採って顕微鏡で調べます。
潰瘍を作るタイプの胃癌もあるからです。

ほとんどの胃潰瘍は胃酸を押さえる投薬と食事療法で治療していきます。
近年は、重度の胃潰瘍であってもよく効く薬(H2受容拮抗薬やプロトンポンプ阻害薬)があり、入院や手術が必要な患者数は減少しています。




では、タイトルの「胃潰瘍に対する手術」とはどういったものでしょうか。

・出血が内科的治療で制御できない場合(出血)
手術方法は、内視鏡的に止血が困難なとき手術となり、出血部位を含む胃切除術を行います。 

・潰瘍が深くなって胃の壁に孔があいて腹膜炎になった場合(穿孔)
手術方法は、穿孔部を含めて胃酸分泌範囲の胃を切除する方法(単純胃切除)と、胃に付着した脂肪の膜である大網(たいもう)を孔に
入れて胃壁と縫合して孔をふさぐ方法(大網充填法)があります。
最近は、腹腔鏡下にこの大網充填手術を行うことも場合によっては可能になりました。

・長年潰瘍を繰り返しているうちに、胃の出口がしだいにかたく、狭くなり食べ物の通りが悪くなった場合(狭窄)
手術方法は、酸分泌を刺激する迷走神経を切り離し、狭窄部を含め幽門部(=胃の出口付近)を切除します。
潰瘍と狭窄の両方がなくなります。

どれも(特に3番目は)レアです。



腹痛があれば様々な病気が考えられますが、その代表の一つが胃潰瘍です。

今では胃カメラも楽に受けられる時代です。
胃潰瘍で手術にならないために、早期発見、早期治療が大切なのは言うまでもありません。


投稿者 医療法人社団LYC ららぽーと横浜クリニック