経鼻内視鏡ブログ

2013年8月11日 日曜日

胃癌は内視鏡で予防できるか!?

結論から書きますと、ある程度は予防できます。


多くの胃のポリープは腺腫(癌へ移行するもの)ではなく、もっと良性のものです。たいていは顕微鏡的(病理学的)には、「胃底腺ポリープ」または「過形成ポリープ」です。これらは、癌になることは、ほとんどありません。つまり、胃癌は、いきなり癌として発生するものが多いのです(大腸癌との大きな違いです)。
ですので、定期的な胃カメラは「胃癌の予防」という意味よりは、「胃癌の早期発見」という意味合いが強く、早期に発見すれば、最近は多くのものが内視鏡的に切除可能です。


さて、「予防」という言葉の意味としては、①病気を未然に防ぐ②早期発見③早期治療を含むとされています。
「予防医学」では、病気を予防するだけでなく、より広い意味で疾病予防、障害予防、寿命の延長、身体的・精神的健康の増進を目的としています。つまり、病気を未然に防ぐだけではなく、病気の進展を遅らせ治療することも「予防」であるとされているのです。

ですので、そういう意味では「胃癌は内視鏡で予防できる」ということになります。
また、内視鏡検査の際にピロリ菌を含めてチェックして、除菌(菌を退治すること)することで、胃癌になる確率を低くすることができます。

投稿者 医療法人社団LYC ららぽーと横浜クリニック | 記事URL

2013年8月 6日 火曜日

胃バリウム検査を受けている医師を知りません

今日の話題は、胃のバリウム検査(胃透視)と内視鏡検査について。
その昔、胃カメラ(内視鏡)が普及する前は、胃の検査法というとバリウム検査(胃透視)が主流でした。現在でもバリウム検査が多くの健診やドックで利用されていますが、その理由は、医療機関自身の都合を考えてのことなのです。

①バリウム検査のほうが医療機関にとってコストパーフォーマンスが高い
内視鏡検査は、まず機械が高額なうえ、医師でないと検査施行できません。さらには医師以外に介助者なども必要で、内視鏡の洗浄消毒も毎回しっかり行う必要があります。
一方、バリウム検査は、レントゲン技師1人で可能です。高額機械も洗浄消毒も必要なく、検査後に患者さんが自分で排便するだけです。

②バリウム検査のほうがクレームが少ない
検査の不快度についてですが、内視鏡検査では医師の技術によります。
内視鏡検査が不快で辛いと、その不満の矛先は内視鏡医や医療機関に向かいがちです。
一方、バリウム検査では検査の不快・不満は検査法そのものが原因ですので、不満の矛先は医療機関には向かわない印象があります。

 ・・・いかがでしょうか。
けっして健康管理や診断の道具として、あるいは患者さんにとってバリウム検査が好ましいというわけではないのです。
事実、私は身の回りで、バリウムを飲んでいる医師を知りません。みんな、胃カメラを飲んでいます。これが全てを物語っていると思います。口からの胃カメラで辛い方は、最近は、鼻からの胃カメラ(経鼻内視鏡)があります。ご検討してみてはいかがでしょうか。

投稿者 医療法人社団LYC ららぽーと横浜クリニック | 記事URL

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