ご家族やご友人と食事に出かけた際に「一体この人はどのくらい食べたの!?」というくらいお腹が出ている人を見かけた、もしくは自分自身がそういった状態になっている、ということはありませんか??
おそらくこういった状態の方々の多くは胃腸の調子が悪いこともなく「気がつけば昔からそうだったなぁ」という方々が大半でしょう。もしかしたらそれは“胃下垂”かもしれません。これまで一度は“胃下垂”という言葉は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
胃下垂になると胃全体が正常な位置より下になり、ヘソの辺りまで胃が落ち込みます。位置の基準としてはヤコビー線と呼ばれる骨盤の後上部の骨(腸骨)の右と左をつないだ線上にあります。胃の曲がり角にあたる「胃角部」という部分がヤコビー線よりも下がった状態を胃下垂と呼んでいます。
確実な診断は病院においてのレントゲン検査やバリウム検査で胃の形を見て医師が診断します。
●胃下垂になる原因・・・腹壁の緊張の度合いによって起こった変化や胃を支えてくれる筋力や脂肪のないやせ型の体質の方が胃下垂になるといわれています。また、昔太っていたが“ある原因で急に痩せてしまった“、“短期に急激に発育した“なども胃下垂になりやすい原因といわれていますが、どの説も決定的というほどの証拠はありません。
(ここで「原因」と書きましたが、因果関係の証明は難しく、因果関係が逆かもしれないくらいなのです。今回の話についても、「胃下垂になると痩せられる!胃下垂になる方法をさがそう」というのは間違った考えです!「胃下垂だから痩せられる」のではなく「痩せているから胃下垂になる」のかもしれないのです。一般的な傾向として、胴体が細長いと内臓もそれに合うような(体におさまるような)形になります。そのため、胃も細長く垂れ下がった形になっているものなのです。決して因果関係について間違った考え方はしないようにしてくださいね。また、今回の胃下垂のお話は骨格や体形に関する話で、決して胃下垂自体は病気ではありませんので、一日も早く病院へ!などというわけではありません。)
一般的に、胃下垂の方は食べ物の消化に時間がかかり食べ物の停滞時間が長くなることで消化不良になってしまうことが多いようです。消化不良になると栄養を十分に吸収されず肌荒れや便秘などさまざまは弊害が起こり消化できないものを必死で消化しようとする為、胃酸の分泌が多くなり胃酸過多の状態になります。これは、胃炎や胃潰瘍などを起こす危険がとても高い状態で、暴飲暴食や過労、ストレスなどが引き金となり、胃痛や食後のむかつき、胃もたれ、吐き気やゲップ、胸焼け、便秘など症状を誘発します。つまり、胃下垂の方は特に適度な運動・バランスのとれた食事・精神的なリラックスができる機会を作るなど日常生活で気をつけることがカギとなります。胃はとてもデリケートな臓器といわれていますので毎日の生活の中でも労わってあげましょうね。