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若い人の方が癌の進行が早いって本当?

2018/02/01

こんにちは、横浜市胃腸科のららぽーと横浜クリニックです。
みなさんは「高齢者の癌は進行が遅く、若い人の癌は進行が早い」という話を聞いたことはありますか?
若い年齢で癌になると症状が出ないうちに進行し、癌が見つかった時には手遅れだったというような事もよく耳にします。実際のところはどうなのか・・・?
「今回は胃がんの進行は若い人の方が早いのか?」をテーマにお話ししましょう。

本当に若い人は進行が早いの?

癌細胞は、時間とともに増えていきます。癌細胞が増殖するといずれ他の臓器や

リンパ節へも癌細胞が発生するのです。これを「転移」といいます。転移はどの癌の話題になっても良く出てきますよね。こうして癌細胞が増えるほど、完治は難しくなります。
「若いころは細胞の分裂が活発だから、癌の進行も早くなる」という説がありますが、すべての症例に当てはまるわけではありません
実際にこうして若い人の癌の方が進行が早いと言われるには何か訳があるわけですが、皆さんは何故か想像できますか?
ポイントは「癌は年代によって発症しやすいものが存在する」というところにあります。

年代によってできやすい種類がある

高齢者が発生しやすい癌は癌細胞が腺管の形を取る「高分化腺癌」というもので、比較的発見が簡単です
一方、若い年代が発症しやすい癌は、癌細胞が組織の中でバラバラに散らばっている「低分化腺癌」というものです。これは発見が難しいうえに、進行が早いのです

つまり、若いから進行が早いのではなく、若い年代はもともと進行の早い癌を発症しやすいということです。
癌の進行度は、その人がどういった癌に罹る(かかる)かによって変わってきます。高齢者が罹りやすい癌の中に進行が遅い癌があるため、トータルでみると、高齢者の癌は進行が遅いと感じてしまうのでしょう。

検診制度にも関係がある

癌は中年以降に発症する病気というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。イメージ通り、癌検診も30代半ば~40代以上の人を対象としたものがほとんどです。
ですから、20代~30代前半の方は癌検診を受けたことがない人も珍しくはありません。
そのため、若い人は体調不良で病院に行ったらすでに癌が進行していたというケースも多いのです。
イメージに流されず、積極的に定期的な癌検診を受けることはどの臓器でもいえることでしょう。

最後に…

いかがでしたか?
高齢者が発症する癌は進行が遅い「高分化腺癌」が多く、若いころに発症する癌は進行の早い「低分化腺癌」が多いため、「若い人の癌は進行が早い」と世間で言われているのです。
若いからと言って癌の進行が早いわけではなく、若い人が進行の早い癌になりやすいだけだった・・・というわけです。
また、若い人は癌になること自体が少ないため、身近に若くして癌で亡くなった人がいると、「若い人の癌は早く進む」と思ってしまう人が多いのかもしれませんね。
癌はすべての年代に発症のリスクがあり、若い人ほど癌検診などを行っていない為、発見が遅れます。本当に健康に気を使うのであれば健康診断はしっかりうけるべきですね