経鼻内視鏡.jP
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バリウムは重いのか

2018/05/01

こんにちは。横浜市胃腸科のららぽーと横浜クリニックです。
皆さんはいわゆる「バリウム検査」を受けたことがありますか?健康診断などで良く知られた検査ですが、苦手な方も多いと言われます。
あの白い液体を飲むことで、いったい何がわかるのでしょうか。

そもそもバリウムって何だ?

胃のX線検査で用いられる「バリウム」は、「硫酸バリウム(BaSO4)」に水と、飲みやすくするための香料を加えたものです。

バリウムという名称は、バリウムを含む鉱石が高密度で重かったことから、ギリシャ語のbarys(バリス;重い)が由来と言われており、現在では「バリウム」と言うと、この硫酸バリウムを指します。
硫酸系とバリウム系の化合物の中では唯一、毒物及び劇物取締り法から除外されており、無味無臭の白色で粉状または無色の柱状で、水に溶けにくい性質を持っています。また、硫酸バリウムは自然界にも存在し、硫酸バリウムを含んだ鉱石は「重晶石」と呼ばれています。

バリウム検査の流れ

一般に「バリウム検査」と呼ばれているものは、正式には、「上部消化管造影検査」と言います。他には「胃部X線(レントゲン)検査」などとも呼称されます。
まず、胃を膨らませる発泡剤を飲んだ後に、ドロドロとしたバリウムを飲みます。そして、医師や技師の指示に従って検査台の上で身体を上下左右に動かし、胃粘膜全体にバリウムを行き渡らせながらX線を連続して照射し、観察していきます。
バリウムの流れは、そのまま私たちの食事の流れということになるので、食道や胃、十二指腸が狭くなっていないかどうかを確認することができます。
また、胃の粘膜についても体を回転させてみることで、胃炎や胃潰瘍による粘膜のくぼみの有無なども見ることができます。

検査自体はこれで終了ですが、その後、下剤を飲んでバリウムを体外に出す必要があります。
バリウムはうまく排出されないとお腹の中で固まってしまうので、下剤を飲んで可能な限り早く体外に出すということが重要ですが、下剤を飲んでも排便が大変だったというお話は良く耳にします。

なぜ胃の検査でバリウムを使用するのか

会社の健康診断などの際、バリウムを飲むのが苦痛に感じられる方は多いと思います。味が美味しくない上に粘着質で、なかなか飲めないというのが主な理由のようですが、それではどうして胃の検査にバリウムを使用するのでしょうか。
一番の理由は、バリウムには「X線を透過しない性質がある」ためです。X線を透過しないということは、つまり「レントゲンに写る」ということです。
胃の造影検査ではバリウムが口腔から食道、胃、十二指腸へと流れていく様子を、動画で見ることができます。バリウムを使用せずにX線検査を行っても、これらは透過してしまい映りません。
また、バリウムは胃液や腸液に溶解しない性質も持っており、飲み込んでも消化器官から吸収されず、便となって排出されるために基本的には無害です。

こうした理由から、胃のX線検査ではバリウムが使われているのです。

バリウムが排出されにくい理由


検査で使用されるバリウムには、硫酸バリウムの他に水と粘着剤が含まれているため、どうしても便が固まりやすくなってしまいます。
また、バリウム自体の比重は通常の便に対して約4倍と重いので、腸の中をスムーズに移動しづらくなります。これらがバリウムを含む便が排出されにくいとされる理由ですね。
下剤を飲んでから排泄までの時間は人それぞれで、早い人であれば2~3時間ほどですが、遅い人だと10時間以上かかる場合もあります。丸1日たっても出ないようであれば、病院に相談するようにしてください。

バリウムが排出されないとどうなるの?

バリウムの検査をした後、「できるだけ早く便を出してください」と言われるのはなぜでしょう。
バリウムは元々、重晶石という鉱石です。そのため、排出までに時間が掛かってしまうと腸内で石のように固まってしまいます。こうなると腸が便を押し流そうとする通常の蠕動運動(ぜんどううんどう)では、なかなか排出されなくなってしまうのです。
腸にバリウムが残ってしまうと、腹痛や便秘の症状が現れ、重症化すると腸閉塞(イレウス)や穿孔(せんこう;腸に穴が空くこと)などを招き、手術が必要になってしまうかもしれません。

バリウムの排出ができないと「病気の検査をしたせいで、病気になってしまう」なんていう、まさに本末転倒な、恐ろしいことになってしまう可能性もあるのです……。

バリウム検査と胃カメラの比較!

胃の検査として、もうひとつ良く知られるのが「胃内視鏡検査(上部消化管内視鏡検査)」……そう、いわゆる「胃カメラ」です。
胃の痛みや不快症状を感じた時、バリウム検査と胃カメラのどちらを受けるべきか悩まれる方もいらっしゃると思います。
ここではそれぞれを比較してみましょう。

バリウム検査のメリット

• 受けることができる施設が多い。
• レントゲン技師でも検査することが可能なので、より多くの人に検査を行える。
• 低コストで行える。
• 胃全体の形や大きさを把握でき、胃の病変だけではなく口から食道、胃、腸に至るまでの通過障害の有無を発見できる。

バリウム検査のデメリット

• バリウム自体を飲む苦痛(味の悪さや飲み込みにくさ)がある。
• 検査中の放射線被曝が避けられない。
• 検査中に体を色々な向きに動かす必要があるのでわずらわしさがあり、特に高齢者や体の不自由な方は大変。
• 発泡剤により空気をたくさん胃の中に送り込むため、検査中に胃が張ってしまい苦しい。
• 検査後は便秘になりやすく、便が硬くなってしまうことが多い。
• 検査後に便が出ても一部のバリウムは腸内に残ってしまうことがある。
• (固まったバリウムが腸に穴を空けるなど)重大な副作用の恐れがある。
• 「造影検査」の名が示すように、いわば「影絵」で判断するため精度が低く、凹凸病変と正常なひだとの見分けがつきにくいので、正確な診断のために胃カメラが必要となることも多い。
• バリウムで病変が疑われたら、それこそ胃カメラが必要となる。

胃内視鏡検査のメリット

• 胃粘膜を直接観察できるので精度が高い。
• 病変があったらその場で組織を採取できる。
• 放射線被曝がない。
• バリウム検査とは異なり、検査中に体勢を変える必要がなく、寝ているだけで終わるので簡単。
• バリウムを使用しないため、検査後の排便に影響しない。

胃内視鏡検査のデメリット

• バリウムよりは多少のコストがかかる。
• 従来の口からの胃内視鏡検査の場合は、嘔吐反射でつらいことがある。
• 高度な技術が必要とされる検査なので、上手な医師でないと苦しい検査になる。

両者にはそれぞれ一長一短がありますが、胃内視鏡検査の方が圧倒的に上位の、有意義な検査であることが分かると思います。

従来の胃カメラでは、口から太いファイバーを挿入することで「オエーッ」という嘔吐反射があり、つらい検査となることがあるため、非常に細い管を鼻から挿入する「経鼻内視鏡検査」がお勧めですが、経鼻内視鏡検査に習熟している医師は少ないのが現状です。
経口でのカメラに対して経鼻のカメラは高価であることから、まだまだ各施設における普及率も高いとは言えません。
鼻からの胃カメラを行う医師には、これまでの消化器内視鏡医には必要とされてこなかった鼻に関する詳細な知識や、カメラ挿入時の細やかなテクニックが必要となります。経鼻内視鏡実績の高い専門医を受診するようにしましょう。

バリウムは重いのか?

さて、今回のブログ記事のタイトルは「バリウムは重いのか」。
結論としては、「バリウムは重い」のです。しかし、それは語源の話だけではないということを、ここまで読んでくださった皆さんは理解してくれるであろうと私は思います。
元々重い、鉱石であったバリウム。それが胃の検査に使われるようになり、被検者にとっては「重く苦しいもの」になりました。そして現在、バリウムによる検査は重苦しいだけでなく副作用や放射線被曝を初めとした「重大な」問題点も数多く指摘されるようになってきています。

我々はいつも患者さんにお伝えすると驚かれてしまうのですが、「お医者さんはバリウム検査を受けません」。皆さん「えー?どうしてー?」という反応です。
その理由はもちろん、「胃カメラを受けるから」ですね。バリウムがいかに不十分な検査であるかを医師は皆、知っているからなんです。
「何も検査しないよりはバリウムを飲んだ方がマシだ」なんていう考え方もありますが、様々なリスクを考えるとそれすらも怪しいのが正直なところです。

なぜ未だにバリウム検査が行われているのか?そこには既得権益などといった大人の事情……利権問題が絡んできてしまうので、ここでは触れませんが、平成という時代も間もなく終わろうかという現代では、バリウム検査は「もはや前時代的な検査である」と言い切って良いのではないでしょうか。私はそう思います。

ららぽーと横浜クリニックでは、経鼻での胃内視鏡検査を行っています。
バリウム検査で異常を指摘されてしまった方やどちらを受けようか迷っていた方、そして、経口での胃カメラにうんざりしてしまった方は、お気軽に当院にご相談ください。